2020月4月
2020年4月30日(木) 日本は大学が生徒にお金を支給をする?

今日朝一番の講義でもって春学期すべての授業を終了しました。ほっとした、という思いだけです。

教室での対面授業時以上に準備に時間をかけ、使えるソフトウェアなども色々調べて出来うる範囲で一方的な授業にならないよう気をつけましたが、手ごたえはいまいちでした。生徒からのフィードバックに耳を傾けようかと思います。

日本のニュースを見てびっくりしました。大学がお金を出して生徒に補償しているからです。私立大学だからでしょうか?

アメリカでは連邦議会でCoronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES) Act という法案が3月末に通り、約140億ドルが高等教育機関に割り当てられました。ハーバードとか有名私立大学は辞退するようですが、うちみたいな普通の州立大学はもちろん申請するとのこと。

もっとも有名どころの州立大学だって普通に申請するみたいなので、卑屈になる必要はありません。例えば以下のような大学です。

受給される総額はわかりませんが半分は学生に配布する必要があり、Federal Pell Grantという奨学金をもらっている学生は$900、そうでない学生は$300を支給されるとのことです。残ったお金は大学がリモート授業への設備対応や学生への便宜などを図るために使うようです。

このような経緯から日本では大学が学生にお金を払うことに違和感を感じました。細かい点はあるにせよ、生徒から多めにお金をとっている印象を与えてしまいます。

また議論になっていないといいのですが、オンラインでは教室での授業の質より落ちることを認めることにならないかを危惧します。生徒も大変でしょうけど、教員だって大学側から負担を強いられるんですよね、恐らく日米問わず。

ない袖は振れない、といいますが、現状はそれでも振って何等かの補償すべきと思いますが、日本政府は今後どう対応するんでしょうか、気になるところです。

2020年4月29日(水) ペンス副大統領 vs. CNN、仁義なき戦い

1つ目、昨日ペンス副大統領が訪問したのはミネソタ州ロチェスターにあるメイヨー・クリニックでした。メイヨー・クリニックと聞いてニューヨークの病院と早とちりしていました。お詫びして訂正します。

ちなみに相変わらずCNNはこの話に噛みついています。

Pence unmasked shows his obedience to Trump

この方もこんな人、ともう分かっているのでどうでもいいのですが、一つ気になった段落がこれです。

The Mayo Clinic tweeted that Pence and his team were told ahead of time that the clinic required visitors to wear a medical mask to protect others from the slim, but real, chance that they carried the Covid-19 virus (the clinic's tweet was subsequently deleted).
(ペンスと彼のチームは、可能性は多くないもののCovid-19ウイルスを運びうる機会から他の人を守るため前もって訪問の際医療用マスクを着用するよう求められていた、と病院はツイートしていた。その後、クリニックのツイートは削除された。)

自ら削除を決めたのか、それとも圧力があったのか、興味深い所です。ちなみに日本語での記事でも紹介されています。

ペンス副大統領、訪問先の病院でマスク着用せず

この動画の中では消されたツイートが紹介されています。ここまでやると執念ですね。英語ですがよかったらリンクをたどって見てみてください。

ちなみにここラフィエットやその市が属する郡では街でマスクを配っている様子が紹介されています。
こういう時は田舎に住んでいてよかったと思います。

2020年4月28日(火) 地元スーパーでマスク着用が義務付け

今日はマスクを着用せずにニューヨーク(4/29訂正)ミネソタ州にある病院を訪れては人々と交流したペンス副大統領の記事がCNNで上がっていました。

Pence tours clinic without a mask despite policy

自分はコロナウイルスに感染していないから大丈夫だと思ってしなかった、と弁解していますが、ニューヨークでは公の場に出る時、マスク着用が義務付けられています。(4/29訂正)事前にクリニックからマスクをつけるように言われていたそうです。

普通に考えれば脇が甘い、と思います。でも支持者からは喜ばれるかも知れません。

さて私がいる郡(パリッシュ)では今日また3人ほど新規患者を出してしまいましたが、それでも以前一桁が続いています。地元のスーパーに買い出しに行ったら、マスクをしないと入れてもらえなくなっていました。

マスクをしない方は入店ご遠慮下さい

マスクなしお断り看板

私はマスクを持っていたので入店しましたが、中に入って驚きました。マスクを配布していました。どこで入手したのでしょう?

マスクを持っていない方は1つお取り下さい

無料マスク

上の病院もペンスさんにこうしてあげればよかったのでは。元中西部の知事の方が(今はDCに在住であれ)ニューヨーク(4/29訂正)ミネソタ州のメーヨークリニックに来てマスク着用義務を知らなかったのかも知れませんから。

さらに対面でお肉を買う所もテープが張られていて、順番に距離を保って買うことになっていました。

アメリカ人がやる仕事にしてはきっちり

ソーシャルディスタンス

ここまでしっかりしていると、逆に安心して買い物が出来ます。ここはオーガニックがメインで高めですが、こういう状況ではここで買い物する方が安全かと思いました。

2020年4月27日(月) 外出禁止は5月15日まで延長されました@ルイジアナ

結論から言うと、ルイジアナ州知事はプレッシャーに負けず賢明な判断をしたと思います。

Governor: Stay-at-Home order to be extended to May 15

(知事:自宅待機令は5月15日まで延長)

自分が望んでいた声明ではないが、政府が制定した基準を満たしていないため自宅待機令を延長することにした、と述べています。きわめて全うな話かな、と思います。

別に彼が民主党所属とか、T大統領が好き嫌いではなくデータを鑑みてまだ早い、と判断してくれたことに感謝します。それが普通なんですけどね。

以下が今日現在のルイジアナのデータです。毎日の感染者でみれば完全に山は越えているように見えますが、亡くなっている方の数が予想より大きい方に振れていることを懸念しているようです。

ルイジアナのデータ

他に良かったこと。ここラフィエット郡は感染者が観測されて以来、初めて新規感染者が0でした。実はここ1週間以上一桁が続いていましたが、ようやく0を記録しました。気分的に気持ちのいいものです。

2つ目、今週の金曜日にはルイジアナからテキサスへの陸路による閉鎖が解かれるようです。

Travel restrictions between Texas-Louisiana will be lifted Friday

これで州としての孤立はなくなったのですが、テキサスは感染者数がピークで高止まりしているのに今週末からビジネスなどを開けてしまうので、逆に危なっかしいです。しばらく行かないと思います。

テキサスの状況(4/27)

テキサスのデータ

2020年4月26日(日) 外出禁止をいつから緩和するか? - ルイジアナの場合

最近ニュースを見すぎないようにしていましたが、気づくと4月末も見えてきました。もともとの外出禁止令は4月30日までだったので、どうなるのかなぁと思っていたらすでに知事が先週会見していた模様です。

As Louisiana leaders look for May 1 opening, White House’s model suggests weeks later

簡潔に言うと、政治家的には早くて来週からでも何らかの解除をしたいが、ホワイトハウスが用いる研究者のモデルを参照すると開けるのは数週間早い、ということです。このモデルですが4/22にアップデートがされたらしく、そこには推奨される外出禁止の緩和日が現状のデータから算出されていました。ルイジアナだと5月22日以降、となっています。

Current social distancing assumed until infections minimized and containment implemented

このモデルでいうとジョージア州は6月22日以降が適切、というのにすでに知事が街を開くよう指示、州内の市長が難色を示しているのは知られていることかと思います。ルイジアナの知事は慎重に検討しているものの、5月1日から現状よりは緩和された施策を考えているようです。

知事はまた州全体でどう緩和するか考えているみたいですが、他の記事によると地方の市や郡から「個別に開けろ」とプレッシャーを受けてもいるようです。

私見ですが、すべての学校が2019-2020年度終わりまでオンラインでやることを決定していますし、政府のモデルが5月22日、と言っているのだからその日でいいのでは?と思います。経済が大事なのはわかりますが、ルイジアナの場合政府からもらった一人あたり1,200ドルは1か月生きるのに十分なお金のはずです。

小さい郡や市ごとに開けるのなら他の所から人の出入りがないことが前提ですが、それは無理でしょうから棄却すべきです。折角ここまで我慢したんだから、もう少し我慢しましょうよ?というのが私の希望です。

このような判断を来週、知事から話されることを期待します。

追伸:4月22日現在、政府が使うモデルから算出された各州の想定解禁日

各州の想定ロックダウン解禁日

2020年4月25日(土) うちの大学から3人もNFLでドラフトされた!

たまにはコロナウイルスの話から離れることにします。

今週NFLのドラフトがありました。私が勤務する大学はDevision 1に所属するも下位のカンファレンスのため選手がドラフトされることはあまりないのですが、今年は3人も引っかかってびっくりしています。

Dotson, Calais Selected in 2020 NFL Draft

  • Robert Hunt、OL、2巡39位 from マイアミ・ドルフィンズ
  • Kevin Dotson、OL、4巡145位 from ピッツバーグ・スティーラーズ
  • Raymond Calais、RB、7巡245位 from タンパベイ・バッカニアーズ
OLで2巡や4巡で指名されるということは、かなりの確率でロースターに残り試合に出るでしょう。7巡で指名のRBだと出番は限られるかと思いますが、まずはロースターに残り、スペシャルチームや限られた状況で自分をアピールできれば生き残れる道は開かれるかも知れません。

ただもらえるお金の面でいえば、フリーエージェント(FA)で入団するより大きい契約金をもらえるので、選手の家族は喜んだことでしょう。この辺りで久しぶりに明るい話題でした。

こういう大きくない大学からプロに行く選手を輩出できると、今後のリクルーティングにもいい影響を与えるでしょう。

2020年4月24日(金) ウイルス対策のためにエコノミークラスはこう変わる!?

ここの所自宅でのインターネット特に上りが異常に遅くなり、図をアップロードするとブログ編集画面がフリーズする事態が起きています。下りもかなり不安定です。

ルータをリブートしたり、LANケーブルを交換してみても効果がありません。恐らくトラフィックが上がって契約しているケーブル・インターネット会社のリソースが逼迫しているんだと考えます。文句のメールを入れましたが、解決してくれるでしょうか?

従って今日はテキストだけのアップにします。新型コロナウイルスの騒動後の対策として、飛行機をデザインする会社は座席に関して色々と対策を練っているようです。

What economy class could look like after virus

While some airlines are discussing the removal of middle seats to maintain social distancing, one airplane interiors company has come up with concepts for adapting economy class cabins.
(一部の航空会社は、社会的距離を維持するために真ん中の席の削除を検討しているが、飛行機のインテリア会社の1つはエコノミークラスの客室を適応させるための(新しい)コンセプトを考え出している。)

写真をアップ出来ないのでリンク先を追って欲しいのですが、真ん中の席の向きを反対に向ける案を提案しています。なるほどこれなら航空会社としては席を失うことなく、顧客は隣と直接顔を向ける必要がなくなります。

もしくはエコノミークラスでも各席にガラス製のシールドを取り付け、最大限隣通し飛沫が飛ばないような案も提案しています。

シールド付きのエコノミー乗客席

(なぜかこれだけアップ出来ました)

ただこちらは囲いを作るだけで現在必要とされている社会的距離を保てないことが問題のようです。

これらのデザインが採用された場合、8-11か月ぐらいで投入出来るそうですが、飛行機会社からの引き合い、公の機関からのデザインの承認などいくつかのハードルがあるようです。

安心して飛行機に乗れるには時間がかかりそうですね。

2020年4月23日(木) 4/23/20、コストコでのガソリンの値段

恐らく1週間ぶりぐらいに買い出しに出かけました。散歩や軽い運動以外は外にも出ないで家で仕事しています。

もっぱらの不満というか希望は、大きい家に住んで自分のオフィススペースがあれば、リモートワークでも最近いいかな、と思い始めています。

車で外に出たのですが、気のせいか以前より少しトラフィックが上がっている気がしました。ルイジアナ、とくにここラフィエット市は感染者の毎日の増加が一桁が続いており、人々が少し気を緩めている気がしてなりません。

コストコに行きましたが、ここでは相変わらず入場制限はありません。普通に会員証を見せて、必要なものを買えます。

アルコールのワイプや消毒用のスプレーはないですが、それ以外は普通に品物が戻っていると思います。ただレジでは混雑して社会的距離が取れなくならないよう、店員が立って客を振り分けていました。

その帰りに給油したのですが、以下の値段でした。

1ガロン1.399ドル

ガソリンの値段

原油の値段があれだけ下がってこの値段ですから、以前のような1ドルを切るようなことはもうないんですね。20年前より人件費が30%とか上がったんでしょうかね。

事故も起こしたくないので、ゆっくりと家までの車を走らせました。外は暗くなっていましたが、澄んでいて夜空がきれいな群青色でした。

鳥も気のせいか良く鳴いている気がします。

2020年4月22日(水) 新型コロナウイルスについて学習、その4、ウイルス複製

昨日はウイルスが細胞に侵入しRNAを放出する所まで書きました。今日はその続きです。

4. ウイルスによる細胞のハイジャック

細胞がウイルスに乗っ取られるところ

The infected cell reads the RNA and begins making proteins that will keep the immune system at bay and help assemble new copies of the virus.
(感染を許した細胞はRNAを読み取る。その結果、免疫系を寄せ付けずにウイルスの新しいコピーを組み立てるのに役立つタンパク質の作成を開始する。)
Antibiotics kill bacteria and do not work against viruses. But researchers are testing antiviral drugs that might disrupt viral proteins and stop the infection.
(抗生物質は細菌を殺すものの、ウイルスには効かない。しかし研究者たちはウイルスタンパク質を破壊して感染を止める可能性のある抗ウイルス薬をテストしている。)

何日か前にレムデシビルについて考察しましたが、その薬はRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤でした。感染そのものを止める抗ウイルス薬があるのなら、ウイルスの増殖を防ごうとするとレムデシビルと仕組みが違うのかな、と想像します。

調べてみないとわかりませんが、ただの言葉の綾かも知れません。

レムデシビルで少し書きましたが、ウイルスRNAはRNA依存性RNAポリマラーゼ(RNA-dependent RNA polymerase)という酵素により、そのRNAの塩基配列を読み取ることで補完的なRNAを複製・合成します。通常RdRpと省略して書くようです。

人間の身体にある正常細胞はDNAにより遺伝子情報が保存されるので(私の理解では)DNA依存性RNAポリマラーゼによって遺伝子情報を複製・合成し、RdRpは必要とせずそれを発現する遺伝子はもっていないはずです。従ってウイルス自身がこの遺伝子情報を持ち、正常細胞をハイジャック後自分で発現させ、それを使ってRNAの複製を試みていると想像しました。

5.ウイルスのたんぱく質を合成、組み立て

ウイルスのたんぱく質合成

As the infection progresses, the machinery of the cell begins to churn out new spikes and other proteins that will form more copies of the coronavirus.
(感染が進むにつれて、正常細胞の機構が新しいスパイクや他のたんぱく質を作り出し始め、コロナウイルスのコピーをさらに形成する。)

ウイルスRNAは新しいウイルスを構成するたんぱく質も合成します。スパイクたんぱく質、エンベロープ、膜は一通り翻訳された後、上の図でいう迷路のような所(小胞体, ER)に輸送されます。

ここではさらに正しい立体の構造(構造が異常なたんぱく質は構成されるアミノ酸は同じでも正しく機能しません)を形成することになります。

ウイルスで作成されたタンパク質

New copies of the virus are assembled and carried to the outer edges of the cell.
(ウイルスの新しいコピーが組み立てられ、細胞の外縁に運ばれる。)

正しい構造を持ったタンパク質は分泌経路に沿って小胞体からゴルジ体に移動します。ここでは細胞外に分泌されるために必要な化学的な飾りつけが行われ、振り分けが行われます。

私の短絡的な理解では、宅配便の配収所で依頼された荷物(ウイルス)にタグをつけ(化学的修飾)、宅配先のセンターに振り分ける、といったイメージです。言うまでもなく、これは正常細胞の正常な機能の一部を利用して行われていると考えています。

6. 感染の拡大

感染の拡大

Each infected cell can release millions of copies of the virus before the cell finally breaks down and dies. The viruses may infect nearby cells, or end up in droplets that escape the lungs.
(感染した各細胞は最終的に細胞が故障して死ぬ前に、何百万ものウイルスのコピーを放出する可能性がある。ウイルスは近くの細胞に感染するか、肺から脱出する水滴になってしまうかも知れない。)

ゴルジ体から分泌されたウイルスは小胞に乗って細胞膜に輸送され、今度はエキソサイトーシスにより細胞外に放出されるとのことです。

MERSの電子顕微鏡による画像ですが、ウイルス(黄色)が分泌されるイメージがわくかと思います。BBCの記事より。

Mers: The new coronavirus explained

ウイルスの電子顕微鏡写真

これでざっくりとながら、新型コロナウイルスの感染、複製、分泌経路がなんとなく掴めたかな、と思います。現実に直面しているウイルス理解の助けになれば幸いです。

次回があるかどうかは、まだ決めかねています。

参考文献(どちらも無料で閲覧出来ます)

2020年4月21日(火) 新型コロナウイルスについて学習、その3、ウイルスの感染

先週は大学が春休みだったので、今週に入って授業をZoomにて再開しました。昨晩3時間弱、今日は75分。

こちらも生徒も雰囲気的には慣れてきた感じです。今学期も残り2週間となり、途中どうなることかと思いましたがどうにか今学期を終えられそうです。

さて新型コロナウイルスの学びの続き、あくまでも私の理解の備忘録です。前回まではウイルスのスパイク部分がACE受容体を認識して結合するため、その受容体があるところで侵入(=感染)が起きうることを書きました。

この話も含めてNew York Timesに絵付きで分かりやすく書いてありました。以下の図はそこから借りています。

How Coronavirus Hijacks Your Cells

1. 新型コロナウイルスの構造(前回説明済み)

新型コロナウイルスの構造

石鹸の手洗いが有効なのは以下の通り、ウイルスを守る脂質の膜(エンベロープ)と石鹸は同質で溶けるので、ウイルスを不活性化出来ます。
The virus is enveloped in a bubble of oily lipid molecules, which falls apart on contact with soap.
(ウイルスは油性脂質分子の泡に包まれており、石鹸と接触すると分解する)。

2.脆弱な細胞への侵入(前回説明済み)

脆弱な細胞への侵入

前回書いた通り体内に入った後、スパイクたんぱく質がACE2受容体を認識して細胞内へ侵入を図ります。
The virus enters the body through the nose, mouth or eyes, then attaches to cells in the airway that produce a protein called ACE2.
(ウイルスは鼻、口、目から体内に入り、ACE2と呼ばれるタンパク質を産生する気道の細胞に付着する。)

3. 体内でウイルスのRNAを放出

RNA放出

The virus infects the cell by fusing its oily membrane with the membrane of the cell. Once inside, the coronavirus releases a snippet of genetic material called RNA.
(ウイルスはその油性膜と細胞膜を融合させることによって細胞に感染する。内部に入ると新型コロナウイルスはRNAと呼ばれる遺伝物質の断片を放出する)

ここで一つ疑問、どんなきっかけでRNAを内部で放出するのでしょうか?分子細胞生物学の教科書を参照すると、この過程がもう少しわかりました。

RNA排出機構

Other enveloped viruses, such as influenza virus, first bind to cell-surface receptors, triggering receptor-mediated endocytosis. When the endosome acidifies, the virus envelope fuses with the endosomal membrane, releasing the nucleocapsid (blue) into the cytosol.
(インフルエンザウイルスなどの他のエンベロープウイルスは、最初に細胞表面の受容体に結合し、受容体を介したエンドサイトーシスを引き起こす。エンドソーム酸性化すると、ウイルスのエンベロープがエンドソームの膜と融合して、ヌクレオカプシド内のウイルスRNAが細胞質に放出される。)

何故このような過程を経るかと言うと、RNAは極性を持つので疎水性の細胞膜を通り抜けられないからです。平たく言えば水と油ではじいてしまうイメージです。
エンドソームの酸性化は図のように水素イオン(H+)を内側に入れる入り口(プロトンチャンネル)があり、たくさん水素イオンがウイルスに入ることでウイルス表面のたんぱく質構造に変化が起き、ウイルス遺伝子が放出される、と書いてありました。
特に上の図を見るとどうやってウイルスの膜とエンドソームの膜が融合するかわかります。なるほど。
Cell Biology of Infection(Pubmed内でこの教科書を無料で参照できます、素晴らしい)

長くなったので、続きは明日のその4で。

2020年4月20日(月) ロックダウン4週間後のコロナウイルス感染者数、死亡者数の推移@ルイジアナ

ここルイジアナは3月23日に外出禁止令が出されたので、今日でちょうど5週目に突入しました。一時期は人口比で感染率がニューヨークに継いで高く、死亡率では全米1の都市があるルイジアナ州ですが、知名度のなさ、日本人の少なさで特に日本語の報道はほとんどなかったように感じました。

まぁアメリカと言えばカルフォルニアのロスやサンフランシスコ、東はニューヨークやボストン、はたまた観光客が多いハワイに焦点があてられるのは普通ですから仕方のないことです。ただそれらの都市とここの状況が必ずしも同じではないことを頭の片隅に置いてもらえれば、と思います。

ルイジアナだけで見ると、感染者そのものは落ち着いてきているように思います。ただピーク時の感染者数が絶対的に多くそれに比べれば減ったというもので、毎日の感染者数は他の州と比べて決して少なくないようです。

感染者数ー外出禁止令から4週間後(4/20)

感染者数

死亡者はこの州特有の基礎疾患を持っている患者が多いせいか、いまだに減る気配はありません。一日特に高かった日があり、7日平均線もピークをつけていません。

死者数ー外出禁止令から4週間後(4/20)

死者数

これらの状況を鑑みて、ルイジアナ州知事は経済を開けるのには「まだ早い」と先週名言していました。経済を何が何でも再開しろ、というプレッシャーの中で科学的なデータから賢明な判断をしているなと個人的には思います。

ちなみに私が住むラフィエット・パリッシュはというと、ネットで探しても数字しかわからず推移が見えないので自分でグラフを作りました。

ラフィエット郡の新規コロナウイルス感染者数推移

ラフィエット郡の新規コロナウイルス感染者数

途中ルイジアナ公衆衛生局の統計ミスがあり、データがなかったり急に上がった日が1日あるのをご承知下さい。ルイジアナ・パリッシュ(郡)は人口で22万人程度ですが、報告される毎日の患者数はこの程度です。

最近1週間だと多くても20人弱、少ない日は10人を割っています。総数では感染者が423人、死亡者数が17人となっています。この状態でもロックダウンを少なくとも4/30までは続けていくようです。

アメリカの他の都市もしくは日本でこれを参照されている方がどう解釈するか、ご意見を聞いてみたいな、と思っています。

2020年4月19日(日) 抗ウイルス薬「レムデシビル」に関する記事、私見その2

完全に備忘録ですが、レムデシビルに関する他の日本語記事です。

コロナ治験薬レムデシビル、サル実験で効果 米研究

元記事をAFPやSTATでさっと探したのですが、見つかりませんでした。ただ色々な所で英語でも同じ文章が記事になっているので配布されたのでしょう。

例えば、

日本語記事の一番の問題は「新型コロナウイルス感染症に対して効果があることが証明された」というくだりです。英語の記事での2段落目が欠如してしまっていて、まるで明日にでもこの薬が使えそう、という間違った印象を読者に伝えています。

まずはレムデシビルがどういう薬か考えてみます。抗ウイルス剤で、RNA-Dependent RNA Polymerase(RNA依存性RNAポリメラーゼ)を阻害する薬のようです。

Structural Basis for the Inhibition of the RNA-Dependent RNA Polymerase from SARS-CoV-2 by Remdesivir

新型コロナウイルスは一本鎖プラス鎖RNAウイルスなので、侵入先のリボソームでゲノム自体がmRNAとして翻訳され、ウイルスたんぱく質を作ります。

新型コロナウイルスの侵入、複製の仕方(3/29のブログにも少し説明してあります)

新型コロナウイルスの侵入、複製

また以下の図よりこのウイルスのゲノムから作られるたんぱく質は2つの大きなたんぱく質(Polyprotein)に、4つのウイルスを構成するたんぱく質(スパイク、エンベロープ、ヌクレオカプシド、膜)、そして8つのアクセサリーたんぱく質であることがわかります。

SARS-CoV-2の遺伝子構造(エコノミストのから抜粋)

Understanding SARS-CoV-2 and the drugs that might lessen its power

SARS-CoV-2の遺伝子構造

特に左側にある二つの大きなたんぱく質(Polyprotein 1と2、replicaseの部分)がプロセスを経て最終的にRNA依存性RNAポリメラーゼとなり、ウイルスが増殖するときに含まれるRNAを複製する(replicate)のに必要なたんぱく質(=酵素)となります。レムデシビルはこのたんぱく質の機能を阻害するはずなので、私は結果としてウイルス増殖が迎えられるのだろう、と理解しました。

さてこの知識を前提に、元の記事を検証することにします。元の論文を探ると、未査読のレポジトリーBioRxivに行き当たりました。

Clinical benefit of remdesivir in rhesus macaques infected with SARS-CoV-2

まず実験で使われたサルはrhesus macaquesですが、以前ここのブログでも記した通りACE受容体のたんぱく質構造がヒトと大きく違うため、新型コロナウイルスを感染させても軽度の症状しか出ないことが報告されています。

つまりサルでの実験ではもともと感染する率がヒトの場合と比べて低いだろうから、抑制しないといけないRNA依存性RNAポリメラーゼの量も少ない可能性があるのではと想像しました。

2つ目、要旨には書いてありませんがよく読むと方法論でこう書いてあります。
Due to the acute nature of the SARS-CoV-2 model in rhesus macaques, therapeutic treatment was initiated at 12 hours after inoculation with SARS-CoV-2.
(アカゲザルを使うSARS-CoV-2実験は急性モデルのため、SARS-CoV-2を接種してから12時間後に治療が開始された。)

ヒトの場合で感染してから12時間後に治療を受ける方はほぼ皆無ですよね。現在治療を施されている患者さんは発症して重度以上の方ですし、この実験のサルは肺炎など呼吸系に異常がない時点での結果ですから、昨日紹介した臨床データとも残念ながらあまり関連性がないこともわかります。

まとめると、日本語の記事で書いてある「抗ウイルス薬レムデシビルが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して効果があることが証明された」は誇張しすぎと感じます。上の論文からはレムデシビルを初期に処方した場合SARS-CoV-2による肺への感染を抑制する可能性を示すものの、そのウイルスによって発症し進行したCOVID-19の症状を抑える効果があるかどうかはわからない、と解釈するのが妥当です。

そういえばアビガンも抗ウイルス薬と思いますが、実験状況はどうなんでしょうか?興味がわいてきました。

P.S. COVID-19の治験に関し英語の記事を日本語訳するのなら、以下の記事のが公平で適切かと思います。参考まで。

2020年4月18日(土) 抗ウイルス薬「レムデシビル」に関する記事、私見その1

ここの所、日本語でGilead Sciences(ギリアド・サイエンス?)社が開発した抗ウイルス薬「remdesivir(レムデシビル)」がコロナウイルス患者に効いた、という記事が目につきました。

新型コロナ感染者が急回復=米社の抗ウイルス薬

本当なら喜ばしいことですが、職業柄どこまで本当だろう?と勘繰ってしまいます。結論から話をすると確かに期待できるデータはあるもののまだ結論を出すには早すぎる内容で、日本語記事は意図的に読者をミスリーディングしているように感じました。

時事通信社が拾ってきたネタは以下のサイトが元です。

Early peek at data on Gilead coronavirus drug suggests patients are responding to treatment

そもそもこのデータはシカゴ大学から「漏れた」データと指摘されています。正直に上のサイトでも入手した、と書いてあります。

“The best news is that most of our patients have already been discharged, which is great. We’ve only had two patients perish,” said Kathleen Mullane, the University of Chicago infectious disease specialist overseeing the remdesivir studies for the hospital.
(一番いいニュースは、素晴らしいことにほとんどの患者がすでに退院していることです。2名の患者しか亡くなりませんでした、とレムデシビルの治験を監督するシカゴ大学病院の感染症スペシャリストKathleen Mullaneは言いました。)
Her comments were made this week during a video discussion about the trial results with other University of Chicago faculty members. The discussion was recorded and STAT obtained a copy of the video.
(彼女の発言は今週シカゴ大学の他の教職員との試験結果に関するビデオディスカッション中に出ました。その議論は保存され、STATはその動画のコピーを入手しました。)

誰が流したんでしょうね。そもそも正式に入手したのでしょうか?

ただそれでもここのサイトでは「これらの結果はremdesivirの有効性があったスナップショットに過ぎず、同時に行われている他の場所での結果はわかりようがない。またほかの臨床データも出ていない」と書いてあります。

また動画に出て来たMullaneさんの以下のようなコメントも紹介しています。
Mullane, while encouraged by the University of Chicago data, made clear her own hesitancy about drawing too many conclusions.
(シカゴ大学のデータには励まされるものの、Mullaneは多くの結論を出すことについては躊躇していることを明らかにした。)

さらにニュースサイトSTATはMullaneさんや大学側にコンタクトを取り、上の発言が彼女のものであることを確認させたものの、STATにコメントを出すことは拒否され、シカゴ大学側からは以下のような声明が発表されたと正直に書いています。
In a statement, the University of Chicago Medicine said “drawing any conclusions at this point is premature and scientifically unsound.”
(シカゴ大学医学部は声明のなかで、「現時点で結論を出すのは時期尚早であり、科学的にも健全ではない」と述べている)

これを普通に読めばシカゴ大学はデータが漏れたこと、そして記事になったことが不本意であるように感じられます。さらに信頼性が高いとは思えない、このようなネットニュースの記事を聞こえがいい所だけ記事にして出す、というのは時事通信の姿勢としてどうかと思うのですが、世の中普通のことなんでしょうかね。私には理解しかねます。

その2に続きます。

P.S. ちなみにですが、レムデシビルはもともとエボラ熱ウイルスに対して開発された薬ですが、MERSには有効、という論文はすでに出ています。備忘録で載せておきます。
P.S. 4/19追加、Timeの記事をたまたま見かけたのですが、シカゴ大学医学部の広報は未発表のデータが許可なく流出されたと明言しています。この部分はSTAT社が意図的に抜いて記事にしたと考えられても文句は言えません。

More Encouraging Signs for Remdesivir as COVID-19 Treatment
“Partial data from an ongoing clinical trial is by definition incomplete and should never be used to draw conclusions about the safety or efficacy of a potential treatment that is under investigation. In this case, information from an internal forum for research colleagues concerning work in progress was released without authorization. Drawing any conclusions at this point is premature and scientifically unsound.”
(「進行中の臨床試験からの部分的なデータは定義上不完全であり、調査中の潜在的な治療の安全性または有効性について結論を出すために決して使用されるべきではない。今回、内部の研究者同士のフォーラムから進行中の研究に関する情報が許可なしに公開された。この時点で結論を出すことは時期尚早であり、科学的にも健全ではない。」)

2020年4月17日(金) スペースX社の「クルードラゴン」が有人でISSへ

コロナウイルス以外の話題があったときは、そちらを優先するようにします。気が滅入りますから。

アメリカが久しぶりに有人で国際宇宙ステーション(ISS)に人を送るようです。

NASA to launch astronauts to space station from US soil for the first time in a decade

昨年12月、ボーイング社の飛行カプセル「スターライナー」は無人でISSに船を飛ばす予定だったものの失敗した話を紹介しました。

ボーイングのスターライナー、軌道に乗れず帰還へ(動画)

ただもう一つの民間宇宙開発委託先であるスペースX社はすでに無人飛行を成功させているので、こちらが先にISSに人を連れていくことになるようです。宇宙船の名前は「Crew Dragon(クルー・ドラゴン」)。

予定では5月27日、2人の宇宙飛行士を乗せてフロリダのケネディ宇宙センターから発射されるとのこと。アメリカではスペースシャトルが最後に飛行を行ったのは2011年で9年ぶり、スペースX社としては創立して18年で初の有人飛行に至りました。

その宇宙飛行士はスペースシャトルに乗って宇宙に滞在した経験もあるとのことですから、ベテランですね。

無事ISSに到着出来れば最大で110日滞在して任務を遂行するとのこと。またNASAは開発にお金を払ったものの、開発そのものは民間会社で行われたので宇宙船の所有者は民間企業であり、NASAは宇宙船を飛ばすにあたり「顧客」という立場だそうです。

一方で民間会社が故、将来的には宇宙飛行士とともに観光客を乗せる計画もあるようです。

本来であれば2017年まで有人で飛ばす予定でしたから、3年程度の遅れです。今回のフライトで宇宙開発においてアメリカが威信を回復できるでしょうか?

今年1月に行われた、有事を想定した脱出実験の様子(成功)

2020年4月16日(木) 働く権利と感染を拡大して人に迷惑をかける権利の主張が出て来た

今日はやっぱりこういう人たち、出てきたな、という記事の紹介です。以前にもアメリカに住む多くの人は我慢が出来ない人たちだから、こういう災いには非常に弱いと書きました。

基本自分勝手な人たちですし、人種や背景、文化がそれぞれ違うため戦争以外ではまとまりづらいお国柄ですから、不思議はありません。

The social-distancing deniers have arrived

(ソーシャル・ディスタンスを否定する人が出て来た)

外出禁止令が出て4週目となりストレスが溜まる、苦しくなるのはわかりますが、こういった形で抗議してどんなメリットがあるかは理解出来ません。某大統領ですら経済を再開したくても、現状を把握し我慢している最中です。

ミシガン州のランシングという所で起きたのですが、これを見て知事が「ただまた感染者が増える」と嘆いています。

ただこれを煽っているのが政治家なんですよね。CNNの記事でも書いていますが、例えばテキサス上院議員のテッド・クルーズ。

(私は子供とビーチに行ってT-ボールをし、ボードでパドルして遊ぶつもり。イースターの日曜日には礼拝行ってお祈りするよ。以下略)

他にもFoxニュースのホストであるローラ・イングラハムとかも経済を再開するよう、促しています。

Some in right-wing media egg on protests against stay-at-home orders

CNNから見るとFoxニュースは政府寄りなので「右翼ニュース局」と書いていますが、これは論旨からずれるので賢くないです。一方で記事の中で女性が言う「"Time to get your freedom back,"(自由を取り戻せ)」というのも的外れ。

そもそもウイルスから国民を守る公共利益のためにこのような命令を下しているのに、自由が奪われている、という主張は本質的ではないです。逆に言えば「ウイルスを拡散して他人の健康を奪う、最悪死に至らしめる権利」を主張しかねているわけですから、理屈は通りません。

むしろ失業して困っている状態に対してもっと政府に充実した生活保障を訴えるべきではないでしょうかね、本来なら。

ともあれ状況が厳しくなってきて足並みが揃わなくなって来ました。こうなると本質的に全く関係のない人種の違いなどになぜか不満の矛先が行き、結果日本では想像が出来ないくらい治安が悪化します。

ハリケーン・カトリーナで被災したときの実際の経験から得た教訓です。今後益々気をつけないといけないな、と思います。

2020年4月15日(水) 新型コロナウイルス研究に適した動物モデルの確立状況

今有名科学雑誌CNSの一つ「サイエンス」は、これに関するリサーチやニュースを無料で公開してくれているのを今日知りました。

Coronavirus: Research, Commentary, and News

その中で一つの記事が目に入りました。

Mice, hamsters, ferrets, monkeys. Which lab animals can help defeat the new coronavirus?

動物愛護団体が何を言おうと、パンデミックに流行しているコロナウイルスに対し治療方法及びワクチン開発のために動物の治験モデルを確立することは非常に重要です。読み解いてみました。

結論から言うとSARSを起こすウイルス同様、ハムスターが新型ウイルスに感染すると人間に近い症状が出るようです。備忘録になりますが、査読がすんだ以下の論文に報告されていました。

Simulation of the clinical and pathological manifestations of Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in golden Syrian hamster model: implications for disease pathogenesis and transmissibility

When physician scientist Jasper Fuk-Woo Chan of the University of Hong Kong (HKU) and co-workers recently infected eight hamsters, the animals lost weight, became lethargic, and developed ruffled fur, a hunched posture, and rapid breathing. High levels of SARS-CoV-2 were found in the hamsters’ lungs and intestines, tissues studded with the virus’ target, a protein receptor called angiotensin-converting enzyme 2 (ACE2).
(香港大学の医師・科学者であるJasper Fuk-Woo Chanらが最近8匹のハムスターを新型ウイルスに感染させた場合、その動物は体重減少や無気力、波状毛皮、丸まった姿勢、そして頻呼吸を発症させた。高レベルのSARS-CoV-2が、ウイルスの標的であるアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)と呼ばれるたんぱく質受容体とともにハムスターの肺や腸の組織で見つかった)

同様な結果がウイルス学者の河岡先生の研究室でも紹介されていましたね(4月12日放送の情熱大陸を参照)。

1つ興味深いことが書いてありました。
One monkey study has already shown that animals that clear a SARS-CoV-2 infection can resist reinfection for at least 1 month.
(あるサルの研究では、SARS-CoV-2感染をクリアした動物が少なくとも1か月は再感染に抵抗できることが示されていた。)

これは感染で出来た抗体がサルでは少なくとも1か月は有効である可能性があることを示唆しています。ただ問題なのはサルの場合、コロナウイルスに感染しても症状は穏やかのため、必ずしも人間も同様であるかはわかりかねるようです。この原因はACE受容体のたんぱく質構造にあるようです。
In the mouse, 11 of 29 amino acids of this critical domain differed from the human version. (Rats had 13 differences, but hamsters only had four.)
(マウスでは重要なドメインにある29のアミノ酸のうち11のアミノ酸構造がヒトのそれとは異なっていた。ラットでは13の違いがあるが、ハムスターには4つしかない。)

普通に考えてヒトの受容体の構造に近ければ、新型ウイルスがそこにくっついて感染する割合も同様になりそうですから、納得です。

アデノウイルスを利用してマウスでもヒトのACE受容体を発現するようにしたものがアイオワ大学で開発されているようですが、ヒトの症状を出しそうなマウスを作り出すには時間がいるようです。またJackson LabではCRISPR Cas9システムを用いて同様なマウスを作ろうとしたり、逆にノースカロライナ大学ではマウス本来のACE受容体によくくっつくよう、ウイルスの構造を変えたりする試みがなされているようです。

他のグループではラットによる動物モデル開発も進んでいる、と紹介されていました。

他の動物だとフェレットが候補のようです。インフルエンザの研究ではヒト同様に感染するだけでなく、くしゃみをしてウイルスをまき散らすようです。

ただ新型ウイルスに関しては体温上昇が認められるものの、その他の症状はなかったと報告されていました。

Infection and Rapid Transmission of SARS-CoV-2 in Ferrets

ただこの動物は口からウイルスを飛ばすので、飛沫感染やエアロゾルによる空気感染の可能性を探ることが出来たり、ヒトと同様年齢が高いフェレットで重症化の例が見られたりしているので、引き続き検討の余地があることが書かれていました。

最後にサルによる治験の有意性も描述されていました。くしゃみするだけでなく、ウイルス感染に対してワクチンによる免疫反応の変化を検証できるのもヒトに限りなく近いサルならではです。

新型ウイルスの治験モデルを決定する過程においていまだ基本的な作業を行っている段階ですが、着実に前に進んでいると感じました。こんな厳しい状況で研究を継続されている方々に対し、頭が上がりません。

2020年4月14日(火) 日本およびアメリカのコロナウイルス対策の現状を知る番組、サイト

4/11に放送されたNHKスペシャルを拝見しました。コロナウイルスの取り組みに対し、海外との検査のやり方の違い、色々な批判などをネットで見ますし理解もします。

しかしこの放送を観ればいかに専門の研究者が日本の実情に合わせてコロナウイルス抑制に向け取り組み、政府に提言してきたかわかります。逆に言えば少なくない政治家が訳もわからず対策に批判しているかもわかります。

今日本で、本当に人との接触を最低7割、出来れば8割減らさないといけない根拠をこの番組から理解し(Tverで4/18まで閲覧可)、行動に移していただければ、と思います。

2つ目、在ヒューストン日本国総領事館からメールが来ました。新型コロナウイルス感染症に関してヒューストン在住の医師・研究者が現状をオンライン上で講義、解説をした時の録画ファイルおよび資料があるそうです。

ヒューストンの日本人医師の先生方に聞く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

場所はニューヨークでないですが、コロナウイルス感染で日本より先に行くアメリカの現状を日本・アメリカ在住関係なく知ることが出来ます。 公開は2週間限定(2020年4月14日(火)~4月28日(火))だそうです。

お早目に閲覧することをお勧めします。

2020年4月13日(月) XFL(プロフットボール・リーグ)倒産

コロナウイルスを迎えこむため、色々な行事も中止や延期を余技なくされています。アメリカも例外ではなく、資金も含めて準備万全で始めたと思ったアメリカン・フットボールの新興リーグXFLも倒産に追い込まれました。

XFL Files for Bankruptcy

プロレス団体WWEのマクマホンがオーナーとなり、NFLのオフシーズンの時期にもう一つのプロリーグを興したのですが、試合内容や盛り上がりはさておき、今年は不運でした。まだファン層が固定していない段階では経営的にどうにもならなかったんでしょう。

NFLなら最悪試合がなくても色々な話題を提供できるでしょうが、XFLはまだ歴史がなく無理です。

リーグの幹部を除いてすべて解雇のようです。NFLでプレーできないレベルの選手はどこに行ってしまうのでしょうか

?Xリーグ?それともWWE?

2020年4月12日(日) アメリカで豚肉が手に入りにくくなるかも

まず今日は母の誕生日でした。お誕生日おめでとう。生きていれば80歳になったのかなと思います。

2つ目、今日は天気が荒れてルイジアナにもトルネードが発生し、被害がありました。幸いなことにここラフィエットは雨も含めて大したことなかったですが、北部のモンロー市は飛行場が被害を受けたようです。

Deadly tornadoes in the South cause 'catastrophic' damage

テキサス、アラバマ、ミシシッピ、アーカンソーなどで停電が起きている模様です。ただでさえ外に出られないのに、電気がないとなるとキツイです。一日も早い回復を祈ります。

3つ目、アメリカ国内では豚肉の供給が減りそうです。

One of the largest pork processing facilities in the US is closing until further notice

(豚肉加工で米国最大の施設の1つが、通知があるまで閉鎖される)

Smithfieldという会社がサウスダコタ州スーフォールズ市に持つ施設を閉鎖しないといけない状況であると伝えています。従業員が新型コロナウイルスに感染してしまったとのこと。

この精肉所は全米の豚精肉の4~5%を生産しているので供給に影響が出る、と解説されていました。また買い占めが起きてしまうんでしょうか?

サウスダコタ州どうなってるんだろう?とみると、包括的なStay-at-home命令はまだ出ていない一方で少しずつ感染者が増えている様子です。

サウスダコタ州感染数

これは困ります。この州ではまだ感染が拡大しそうです。

2020年4月11日(土) 4/11現在、ルイジアナの感染・死亡者数推移

今日はねずみの管理のためニューイベリアまで行ってきました。家の近くのスターバックスはすべて閉まっているのですが、隣町ブルサード(Brussard)のドライブスルーは開いていることに気づきました。

勇んで帰り道寄ったのですが、営業は6時までで間に合わず。残念ながら自分の誕生日祝いのフリードリンクは次回まで持ち越しとなりました。

一昨日、予想モデルに基づくとルイジアナの感染者数はピークに達しているはず、ということを書きました。今日は実データを確認したのですが、確かに少しずつですが減っているようです。出典はどちらもNew York Timesです。

Coronavirus in Louisiana: Map and Case Count

ルイジアナの新規感染者数、推移

ルイジアナの新規感染者数

線グラフは7日間の平均なので、たまたま1日だけ増えたり減ったりして傾向が変わらぬよう配慮がなされており、信頼が出来るかなと思います。

一方でウイルス感染による新規死亡者数はまだピークを迎えていないのかも知れません。

ルイジアナの新規死亡者数、推移

ルイジアナの新規死亡者数

英語での新聞やニュースを見ると、ヨーロッパでは外出禁止令を緩和したり、アメリカ国内でもピークを過ぎたデータが集まりつつあるので、いつStay at home命令を解除しようか、どうやって解除しようか、というトピックが目につき始めました。予想モデルを見ると、5月までこの命令を順守すればほとんど死亡者数は減るみたいなので、無理してもそこまでみんな頑張ったら?と思うんでしょうけど、どうなのでしょうか?

経済援助のための送金がIRSより始められた、というニュースも見かけましたし。

2020年4月10日(金) 健康保険会社から来た医療費自己責任の確認書

有難いことに郵便や宅配便のサービスは継続されています。今日郵便物を取りにいったところ、保険会社から手紙が届いていました。

私の場合、雇用者を通じての健康保険(Blue Cross and Blue Shield of Louisiana)ですが、以前の州で入っていたものと比べ月々の保険料が高いのに、カバーされる内容は芳しくないです。日本では想像がつかないと思いますが、アメリカでは健康保険入って保険料を同様に払い、同様な診療を受けても、保険会社の契約内容および裁量で治療費が大きく変わります。

それでその手紙ですが、コロナウイルスで大騒ぎの時期にこんな内容の手紙を送るか、というものでした。すでに事例があり、クレームがあったんでしょうかね。以下に書き留めておきます。

Balance billing disclosure notice(残高請求開示通知)

Health care servive may be provided to you at a network health care facility by facility-based physicians who are not in your health plan. You may be responsible for payment of all or part of the fees for those out-of-network services, in addition to applicable amounts due for co-payments, coinsurance, deductibles, and non-covered services.
(病院でのサービスは、ネットワーク内の病院施設であっても、保険に含まれない施設ベースの医師によって医療が提供される場合があります。お客様は通常の自己負担額、共同保険額、自己控除額や対象外のサービスへの支払いに加え、これらのネットワーク外の医師によって施された治療費の一部もしくは全額を支払う責任があることがあります)

What is a facility-based physicians?
Facility-based doctors are anethesiologists, emergency room doctors, neonatalogists, pathologists, radiologists, and similar types of doctors.
(施設ベースの医師は、麻酔科医、緊急治療室の医師、新生児専門医、病理医、放射線科医、もしくは同様のタイプの医師です)

極端な架空の例で説明すると、東大閥の病院と慶応閥の病院があり、自分の保険は慶応系列の病院なら保険が利くが、東大系列の病院はほとんど利かないと想像してください。大した病気でないときは保険が利く慶応系列の病院に行き、いつもの先生に診てもらう。これは問題ないです。

しかし急に発熱し息苦しいので慶応系列の病院の夜間外来に行き、意識が薄れるなか藁をつかむ思いで治療に同意し、受けたとします。無事回復して安堵するのもつかの間、送られてきた請求書を見てびっくり。

コロナ対策で医師が不足し、応援に来てもらっていた宿直、スタッフは東大系列だったらしく保険の対象外。結果本来の3倍近くの金額が請求された、ということが起こりうるということです。

それに対して保険側としては交渉はするけど「責任は持てません」とあらためて通知してきたのが、今回の手紙です。

何故このようなことが起きるか、というと上の極端な例でいえば、同じ医療サービスでも提供する医師のレベルにより値段が違うということ。アメリカの場合、優秀で経験ある先生はお金のとれない安い保険ネットワークには加入せず、腕と評判で対価の医療費を払える患者を診察するのです。

一方で医学部出たばかりの先生、普通の先生は色々なネットワークに加入し患者を紹介してもらうメリットを享受する一方で、医療費に対してはある程度保険屋の言いなりになるという仕組みなのです。大雑把に言えば、ですが、日本と違うのがよくわかるかと思います。

実際、アメリカで医師を探す場合「新規患者を受け付けますか?」と相手に聞くのが一般的なのです。保険がカバーするネットワーク内の医師ですら平気で「新規患者は診ません」という所、あります。

しかしこの時期に送ってくるかな、というのが正直な印象ですが、保険会社も政府からコロナウイルス検査代金は請求するな、とかプレッシャーを浴びて大変なんでしょう。彼らも民間会社なので過度の負担を負えば破産もするわけです。

もしかしたらルイジアナの場合、病院だけでなく保険会社も逼迫しているのかも知れません。

2020年4月9日(木) 感染のピーク、および外出禁止令解除に関する資料、データ

このパンデミックをどう過ごしたか分かりやすくするために、カテゴリーに「コロナウイルス」を加えました。今後はこのトピックに関するブログをそちらに保存していくことにします。

さて今日は春休み前の最後の授業を無事終えました。3月18日より否が応でもなくオンラインに移行し、どうにか今日まで来ましたが、かなりアップアップでした。

Zoom以外でも色々なソフトやオンライン上のサービスも検討し、参考になりました。Moodleに関して今まで使わなかった機能も使うようになりました。

実験出来ないのでこんなことに時間をかけていますが、怪我の功名としたいです。

昼過ぎに見るとルイジアナでもニューヨークでも未だ感染者数、死者数は増えていましたが、統計モデル的には昨日、今日がピークを迎えている、という記事を見かけました。

Projection models predict COVID-19 pandemic will peak in Louisiana on April 8

株や為替などもそうですがいつピークなんて来ている時は分からず、後になってあの辺りがピークだったね、と話すのが関の山だと思います。このデータも正式には査読を経ていない、未発表の研究発表に基づくものでした。

COVID-19 projections assuming full social distancing through May 2020

5月まで完全なソーシャル・ディスタンス策を続けた、という想定のもと算出したようです。実際経済が心配でうずうずしている大統領さんは一日でも早く緩和したいようですが、どうなんでしょうか?

ニューヨークタイムズが以下のような資料をDepartments of Homeland Security and Health and Human Servicesから見つけた、と書いていました。

Data & Analytics

何もしなかった場合(unmitigated case)、Steady state(夏まで外出禁止を続けた場合)、Steady State + 30 Day shelter-in-place(30日だけ外出禁止をした後、その策を緩和した場合)の3つのシナリオが描かれています。どうやら今月緩和してしまうとまたその後にまたかなり大きいピークが来る、と予想されているので、政府が今後いつ意思決定をするかに影響を与えそうです。

もうしばらくはこのような生活が続きそうですね。考えすぎないことにします。

2020年4月8日(水) Geicoも保険料を返還へ

基本毎日家にいるだけなので、車に乗る機会はめっきり減っていました。むしろたまにエンジンを動かさないとバッテリーは大丈夫かな?と心配するぐらいです。

以前アメ車が日本市場に進出した際、売れなかった理由の1つが「バッテリー」であったとき、アメリカ側の主張曰く「2週間一度も車を運転しないなんて想定していなかった」という話を思い出したからです。

一方で以外なところからも配慮が出てきました。全国的に交通量が減っているので、車の保険会社が保険料を還元してくれる、というのです。私はGeicoを利用していますが、同様な措置が発表されました。

Geico joins Allstate, offers 15% insurance credit as coronavirus cuts driving

15%程還元され、平均で車だと150ドルぐらい返還になるだろうとのこと。私の場合車が古いので、すべてフルに保険をかけているわけではないですが、多少の恩恵はありそうです。

有り難いです。

2020年4月7日(火) 名ばかりのオンライン化、遠隔作業

朝一番にオンラインで授業して、残りは大学内の雑務をしていました。すぐには無理なのわかりますが、これを機に「ファイルの電子化」、および遠隔でも各自が「作業を効率よく出来るよう」、組織レベルで取り組んでもらえたら、切に思います。

以前にも書きましたが、紙に印刷しては署名、それをスキャンして(=スマホで写真を撮る)メールに添付して次の人に回す、といった作業を繰り返すことに疑問を持たないことは絶対におかしいです。ワードでの書類作成にしても、変更履歴をオンにしないで「前回のに変更点を付け加えたので、見てください」というのもおかしい。

変更履歴をオンにする機能知らなければ、せめてどこを変更したか、リスト作るのが普通ではないかと。50ページを超える文書で毎回こちらが前回とどこが変わったか確認しないといけないなんて、常識を疑います。しかし、これが私の職場の状況です。

まずはメールの数多すぎるし(責任逃れCCはやめて下さい)、大学のHPもどれが最初の情報、決定なのかわかりません。連絡は時系列になっているはずだから探せ、というのも罪です。古い情報は消すかアーカイブに入れて下さい。

自分の知識が最新であるはずないんです。上に書いたことは私が(アメリカの)IT企業で働いていた25年前ですら実現していた技術です。

terminal degreeもしくはadvanced degreeを持っていて、知識をひけらかしてはお金をもらっている方々なんですから、得意不得意を言わず対応願います。

生徒に言ってるくせに、自分が学ばないのは明らかな矛盾です。

2020年4月6日(月) デルタ航空によるメダリオン・ステイタスの1年延長

私は飛行機のマイレージを主にデルタ航空で貯めています。アメリカ滞在のほとんどが南部なので便利だったのと、アメリカの航空会社では太平洋便のご飯が一番美味しいと思ってるので、多少遠回りしてもその会社を利用しています。

今はその優位性が消えていますが、デルタはノースウェスト航空を吸収してマイレージを溜めやすかったのも理由の一つです。

実はおととしから去年にかけて日本に戻ったり、海外の学会に参加したりしたのでメダリオンの資格を得ていたのですが、残念ながらこの状況では使えそうもないなぁと思っていました。先日の学会もキャンセルされてしまいました。

ところがデルタから嬉しい発表がありました。日本語だと以下の記事で確認できます。

デルタ航空、「スカイマイル」上級会員資格を1年延長

一般の会社で営業職でもしていない限り早々メダリオンの資格を得ることはないので、これは非常に有り難い措置です。これなら次の機会にもまたデルタに乗ろう、と思わせてくれます。

日系の航空会社と比べて一長一短はありますが、こういう対応の速さはアメリカの会社、という感じがします。

デルタ航空による英語の元記事

Delta extends Medallion Status, Club Memberships and more to support SkyMiles Members’ future travel

2020年4月5日(日) 4/5のコストコ、ガソリンの値段

今日も学科長の頼まれごとをするために、大学に行きました。午後に行きましたが、休日のためか車通りが若干多かった気がします。

もしかしたら買い出しする時間だったのかも知れませんが、不必要な外出はお互い控えたいものです。残念ながらまた大学の目の前にある公共リクリエーション施設でバスケを楽しんでいる若者が複数を見かけたのも残念な光景です。

一度外に出たので、コストコに立ち寄りました。やっぱり田舎なので特に入場制限もありませんでした。中にも人は多くなかったです。

ただ半数近くに人がマスクや布で口を覆っていました。私にとっては手術室以外でマスクをするのは初めてみたので、異様な光景でした。

明らかに手製のものもありましたが、市販のもありました。みなさん、どこで手に入れたのでしょうか?

さてみかけたものです。久しぶりにブルコギが売っていました。

味がついているので、料理が楽です

ブルコギ

これは初めて見た製品ですが、おかきです。テキサスに行けず、この辺りのアジア食品店が閉店しているので、このような日本のお菓子は有難いです。

おかき、Made in Taiwanとなっていました

おかき

これらを購入してさっさと外に出ました。ここ1週間大して走っていませんが、ガソリンを入れておくことにしました。

また下がっていました(1ガロン1.499ドル)

ガソリンの値段

気分転換にドライブに行きたい気持ちに駆られましたが、大人しく家に戻りました。

2020年4月4日(土) 結局アメリカでもマスク着用推奨、ですか?

今日は必要があってニューイベリアの研究所まで出かけてきました。やることやって帰ろうとしたらディレクターがいたので少し話をしました。

詳細は言えませんが、COVID-19のワクチン開発に関して、チューレーン大学と協力するようです。ここは全米でも有数のサルを繁殖させ、委託も含めた研究を行っている施設なので別に不思議はありません。

ただここの施設はバイオセイフティーレベルが2なので、ここで直接生きた新型コロナウイルスを使うことはありません。悪しからず。

さてCDCからも大統領からもマスク着用の推奨が出ました。別に朝令暮改な決定はいいです。

ただ着用に科学的根拠に乏しいので、理解出来ません。無症状の方でも感染させてしまう可能性があるからとりあえず全員つけろ、というのならそれはそれでいいです。

ただマスク売っていません。手製でもいいからface coveringを作って装着、って言ってもフィルターなかったり、生地が基準を満たしたりしていなければ、効果はないはずですよね?

それよりすでに手詰まりで対策がないから、で推奨してないことを祈るのみです。私個人としては日本人なのでマスクして出歩くことに抵抗ありませんが、どうせするなら効果があるマスクをしたいだけです。

実際この辺りのアメリカ人はどれぐらい装着するんでしょうか?

2020年4月3日(金) スターウォーズ・エピソード9のDVDレンタルはいずこ?

ここルイジアナは外出禁止令が出ているので、せめて家の中で楽しいことを探さないといけません。私には密かに楽しみにしてきたことがありました。スターウォーズ・スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)のDVDのレンタル開始です。

https://www.newdvdreleasedates.com/m2759/star-wars-the-rise-of-skywalker-dvd-release-date

消えるといけないのでスクリーンショットの証拠を残しておきます。

スターウォーズのレンタル開始日

映画館で見ればいいのですが、DVDやブルーレイの良いところは英語とは言え字幕が出ること。私にとってこれがあるかないかで内容の理解度が全く変わります。早速Redboxのリンクをクリックしてみました。

「Houston, we have a problem」

あれ該当のページが出ません。何度やっても同じ画面が出てきます。

Redboxではレンタルされないのでしょうか?視聴期間は一晩とは言え圧倒的に安いので、今まで利用してきたのですが。

仕方ないのでアマゾンを見てみました。

Star Wars: The Rise of Skywalker

SDが$4.99、HDが$5.99だそうです。SDとHDの違いがわからなかったので、調べてみました。

When to buy SD, HD or UHD streaming movies and TV shows

SDはStandard Definition、HDはHigh Definitionの略で、それぞれ480p (858 x 480)と720p (1280 x 720)だそうです。前者は通常DVDのクオリティとも書かれています。

家にあるテレビはそれほど大きくないのでSDでいいのかなと思いますが、それでも料金はRedboxmの2倍以上。しかもここで見るなら3/17から見れたはずなのに、と悩みます。

日本のアマゾンを見ると公開は4/8になっています。でも視聴に2000円以上するみたいです。

やっぱり英語で見た方がよさそうですね。うー。

2020年4月2日(木) 遠隔授業になって起きたこと、分かったこと

他の大学と比較し圧倒的に短い準備期間(2日)でリモート授業に移行したうちの大学、それから2週間が経ちました。広報的には「スムーズ」な移行と宣伝していますが、そんな訳ありません(苦笑)。

結局のところ上から具体的な指示はなく現場に丸投し、お金は出さすに創意工夫を強いただけでしたが、確かにやってみて初めてわかったこともあるので、私が経験したことを書き留めておきます。今後遠隔授業や作業に移行する方々の参考になれば幸いです。

1.遠隔授業を行う場所の確保

私は家ではなくアパートに住んでいるので、余分な部屋はないです。リビングはありますが、そこはWifiが一番入りづらい場所で不向きです。

従ってライブ配信を安定させるために、私はLANケーブルでPCを直接ルータに繋げる場所で毎回授業しています。ただその部屋はお世辞にもキレイでないので、カメラを天井方向に向け、私は立って話をしています。

ちなみに個人え契約しているケーブルインターネットの速度は下り100 Mbps、上り10 Mbpsですが、近隣も使っていると速度が落ちることがよくあります。

2.遠隔作業のためのPC環境、光熱費

Zoomを使ってライブ授業をしていますが、私の古いラップトップPC(第3世代モバイル向けi7)では背景を変えることが出来ませんでした。またラップトップPC付属のカメラやマイクによる映像や音声がよくないことが事前に判明し、仕方なく新たに専用のウェブカメラを取り寄せて使用することになりました。

また家で作業する分、今のところ明らかに電気代が高めに推移しています。もちろん大学側から補助はありません。

3.  Zoomも万能ではない

大学が購入したライセンスのZoomを使用しているので300名まで同時接続可能のはずですが、これは理想で実際はそうでもない感じです。この時期トラフィックが急に増えた、もしくは私のPCが遅いせいもあるのかも知れません。

30人前後の接続で使用中画面が固まったり、annotationなどZoom上の機能を使おうにも反応が遅くなったりすることがありました。従って映像を見せるのは私だけにし、学生側は映像を切るようにすることで今のところ安定しています。ただチャットは問題なく機能しているようです。

4. 生徒は必ずしも家にPCがない、ネット環境がない

これはルイジアナだけかも知れませんが、家では携帯でしかネットをしていない生徒が少なからずいるようです。これは2日だけの準備期間では調べようがなく、どうしようもありません。

大学側の言い訳としては一部のコンピュータ・ラボを週7日、24時間開けてるから対応可能と言いますが、そこにはウェブカメラやマイクはないそうです。これではオンライン授業参加やウェブカメラで監視しながらテストを行うことも出来ません。

5. Moodleやメールも遅延が生じる

私の大学ではオープンソース・ラーニング・システムとしてMoodleを使用し、メールは最近Outlookに移行しましたが、急にトラフィックが上がったためか遅延が起きることが少なからずあります。特にMoodleは更新しても反映されるのに時間がかかることが度々です。

今週慌てて大学はMoodleのメンテナンスを行ったようですが、昨日現在でいまだ以前より反応が遅い状況が続いています。

6. 公平なテスト方法がない

今のところ遠隔で有料の監視サービス(しかし各生徒にウェブカメラが必要)を利用しない限り、教室で行うようなテスト環境を作ることが出来ません。テスト中、生徒はノート見放題、友人と音声やチャットなどで連絡も仕放題で、無法地帯となっています。

テイクホームにすればいい、と上はいいますが、うちの大学が論文雑誌の購読料をケチっているため、回答作成やリサーチに使う文献を無料ですぐに拾うことが出来ない状況です。こんな環境で生徒にテイクホーム試験を実施出来ません。

以上、思いついたことを記してみました。実は運用方法などでまだまだ言いたいことはあるのですが、次回にしたいと思います。

2020年4月1日(水) 新型コロナウイルスについて学習、その2、嗅覚編

3/29に少しずつ新型コロナウイルスを知るために、自分なりに理解したことを記しました。今回は2回目です。あくまでも私の勝手な解釈なので鵜呑みにしないで下さい。

前回味覚がおかしくなる話は調べましたが、嗅覚の変化については見かけませんでした。気になったので調べてみると、あることはありました。

実はというか知られていることかと思いますが、今回のコロナウイルス(SARS-CoV-2)とSARS(SARS-CoV)の受容体(つまり侵入経路)は一緒でACE2です。まずSARS-CoVで何か出てないかなと調べたら、ねずみを利用した実験で嗅覚がやられうることを示す結果がありました。

Severe acute respiratory syndrome coronavirus infection causes neuronal death in the absence of encephalitis in mice transgenic for human ACE2.

We use these mice to show that virus enters the brain primarily via the olfactory bulb, and infection results in rapid, transneuronal spread to connected areas of the brain.
(マウスによる実験では、ウイルスが主に嗅球を介して脳に侵入し、感染すると脳と接続された領域に神経を介して急速に広がることを示している)。
Our results show that neurons are a highly susceptible target for SARS-CoV.
(我々の結果は、神経細胞がSARS-CoVにとって非常に影響を与えやすい標的であることを示している。)

新型コロナウイルスが脳に影響を与える、という例はあまりないようですが、今日どこかで髄膜炎を発症された方がいる(幸いにも快方に向かっている)というので、無きにしも非ずなのかと思っています。

この結果を支持する文献として、以下のレビューがありました。

Evidence of the COVID-19 Virus Targeting the CNS: Tissue Distribution, Host–Virus Interaction, and Proposed Neurotropic Mechanisms

(中枢神経系を標的とするCOVID-19ウイルスの証拠:各組織における分布、ホストとウイルスの相互作用、および提案される神経向性メカニズム)

下の図(B)で以下のように述べています。

Figure 1

人体の図
(B) Neurotropism may occur via circulation and/or an upper nasal transtibial route that enables the COVID-19 to reach the brain.
((B) COVID-19が脳に到達しうる血液や上部鼻下腿を経路として向神経性が起こる可能性がある)

さらにここではSARSのウイルスと比べて新型コロナウイルスの感染性が高いのか、紹介されていました。元論文を辿れば、この根拠を詳しく理解できるかと思います。
It was shown that the ACE2 binding affinity of the 2019-nCoV spike protein ectodomain was 10−20-fold higher than that of the SARS-CoV spike protein.
(2019-nCoVのスパイクタンパク質外部ドメインのACE2に対する結合親和性が、SARS-CoVスパイクタンパク質のACE2結合親和性よりも10〜20倍高いことが示されている)。

ただ私の理解では新型ウイルスではなぜ味覚や嗅覚がやられても、比較的無症状でいられるかは今のところ分からず仕舞でした。脳までいった症例が少ないのもそのせいかも知れません。

また時間があった時に別の論文を読もうかと思います。その3に続く(でしょうか?)。

< 過去 INDEX 未来 >